社会人ジャズバンド 声援を背に豪で熱演
税務署員から神主まで様々な肩書きを持つ社会人二十人で構成するアマチュアバンド「ビッグ・ウイング・ジャズ・オーケストラ」=写真=が十月一、二日、オーストラリア・マンリー市でのジャズカーニバルに日本の代表として参加、四ヵ所のステージで演奏する。
今年三月に東京都上野区主催のジャズコンテストでグランプリを受賞、姉妹都市の同市へ文化親善使節団として派遣されることになった。「周りはプロを目指す本格的なバンドばかり。まさかグランプリとは」と全く予期しなかった受賞に喜びしたメンバーだが、頭を抱えることになったのが渡航費用などを含む資金問題。
総額一千万円が必要で、台東区が負担できるのは当初から五人分、三百万円と決まっていたため、資金援助獲得のためにメンバー全員が東奔西走。協力依頼先では渡豪が文化交流であることを強調した。リーダーのケンウッド技術開発本部、小浜賢治さん(39)は同社役員に直訴するほどの奮闘。
こうした努力が実を結び、国際交流基金やケンウッドからの計百八十万円の援助を受け、個人負担額を当初の半額、二十三万円にまで減らすことができた。
小浜さんは「ある程度自己負担させざるを得なくなったが、十日間の休暇取得を含めて文化活動に対して企業がこれほどの理解を示してくれるとは思わなかった。オーストラリアでは肩ひじ張らずに、楽しんで演奏してきたい」と話している。 |