ビッグウイングジャズオーケストラEvent Report 1999.10

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BIG WING Australia Tour '99

99Manly Poster BIG WING Jazz Orchestra
The 5th Overseas Performance
at 22nd Manly International Jazz Festival
Oct.01-04,1999

Manly市はSydneyからSydney湾をはさんで北に位置し,Jetcatという高速艇で15分の位置にあるリゾート地。
Catch Phraseは"Seven miles from Sydney - and a thousand miles from care"
その通りの気持ちが休まる,何も心配がいらない,そしてHappyな街。
10月1日の前夜祭から4日間,海岸沿いのメインステージであるOcean Front Stageをはじめ,7ヵ所の屋内外会場に加え,レストランや街角での演奏はなんと125セットに及ぶ。
この中でInternationalのゲストは日本からのBig Wingを含めUSA,ドイツ,UK,New Zealandからの8グループ だった。

Manly JF99Big Wingは1989年に台東区主催の 浅草Jazz Contestで優勝して,Manly Jazz Festival出演とNew Zealand観光という副賞を頂いた。
ところが招待されるのは 費用の5人分だけで,あとは自費で行くしかなかった。
その費用を全員での均等負担に加え,国際交流基金やKenwoodからの協賛金で賄った。
この初の海外遠征に向けた準備活動と,現地での成果がその後10年間のチームワークの原点になっている。
初参加の演奏が好評だったこと,行った切りで疎遠にならず交流を続けたこともあり,2年後に再度マンリー市から招待されMain Stageのフィナーレでの演奏という歓迎を受け,Festivalの期間中は全員が3泊ホームステイをして国際交流を行なった。
このようなManly姉妹都市委員会やFestivalのStaffとの国際交流を毎年欠かさず行なって10年目の今年,3回目のFestival参加を決意して,年初から準備を開始した。

Bass長島輝雄← 9/30 にJAL771便でSydneyに向け出発,早朝到着のためホテル Check-inまでの時間をBusでの観光にあてた。
ホテルといっても経費節減のため,長期滞在型で炊事洗濯等の設備が整っているApartmentを3ヵ所確保した。
2人から4人で2ベッドルーム,2シャワールームと日本では経験の無い快適さだった。但し31名が11のApartmentに分かれた中には,設備や景観に多少の差は出てくる。
荷物を各部屋に落ち着かせてすぐに会場を借りて2時間のReheasalを行なった。
今回仕事の都合で参加できなかったBassの吉井氏に代ってトラを引き受けてくれた Mondaynight Jazz Orch.の長島輝雄氏には心から感謝する。 準備時間が限られていたため,翌朝から同室のメンバーは彼の個人練習の音で目を覚ましたという。

James MorrisonのShow←Festivalは10/1(Fri)の夜8時に Manly Pacific Park Royal Hotel のBall RoomでのDinner Showを前夜祭として始まった。
Big Wingは1989年にこのpartyでも演奏してAustralia人のエネルギッシュなことに驚いた。
今回はJames MorrisonというAustraliaのスターTrumpet奏者率いるBigbandで徹底したエンターテインメントを見せてくれた。JamesはTpの他にArrange,Trombone,Piano,Vocalと冗談がうまく,全て第一級だった。
共演したアカペラコーラスグループも日本にはいないレベルで,層の厚さを知らされた。

ManlyJF99最初の演奏←Festival本番は10/2(Sat)の11時からスタートした。
Big Wingの1st PerformanceはOcean Front Stageで12:15から45分間,9曲を演奏した。ステージ周辺の道路は通行止めとなり,車道も歩道もカラフルな観客で埋め尽くされていた。
演奏の合間には波と潮風の音,カモメの鳴き声が 聞こえる。ステージのテント屋根に映るカモメの足跡にManlyにいる実感を味わって演奏した。<音符を見落としたが・・>

welcome party 10/2の夕方はManlyの姉妹都市委員会主催でWelcome Party を開いて頂いた。
我々が敬愛するJoan Thorburnさんは入院中で参加できなかったが,代って息子のMalcolmが Party をorganizeし,なんと現在の市長のJean Hayさんをはじめ歴代3人の市長が出席してくれた。そしてBig Wingのツア参加者全員に市長からの感謝状を頂いた。
Big Wingの活動は単なる演奏旅行が目的ではなく国際交流がベースにあるからだ。
Big Wingからは今回のために新たに作ったT-Shirtsと有志によるコンボ演奏をプレゼントした。

Big Wing at Old Boatshed10/3(Sun)は夕方まで各自が自由時間として観光やFestivalの演奏会場巡りを楽しんだ。
←19:30からはコルソー通りにあるOld Manly Boatshed (Jazz Restaurant)での演奏を行なった。
23時までの3ステージでアンコールの3曲を含め22曲を演奏。リサイタル並みの曲数となった。ステージごとに観客が盛り上がっていくのにつられて,メンバーも白熱したプレイとなった。

■ここでBass Trombone 山内 俊吾のコメント
とにかく,観客の拍手の暖かいことといったらびっくりした。客席からの拍手と声援が僕達のボルテージを一層高め,自分達なりのベストプレイが次々と繰り広げられていく。
僕達みたいなアマチュアバンドが頻繁に海外ツアーを行なうことについて,周りの人達は『金銭的,時間的に余裕のある人の道楽』という見方をすると思うこれはまさにその通りであって,海外旅行をすることに加え日常生活から逃れて音楽漬けの一週間を過ごすことは,音楽愛好家としてこの上ない贅沢であることは間違いない。

しかし,それだけでないことを是非皆さんにお伝えしたい。
日本では絶対にといってもいいほど味わうことの出来ない『観客とステージとの一体感(マンリーの方々の気質と親日感情に負うところが大きいが)』これこそが僕達アマチュア演奏家にとって最高の贅沢であり道楽なのだと思う。

僕達は次の贅沢を狙っている。それは,『国内でも,マンリー以上に観客との一体感を生み出せる演奏をすること』

ManlyJF99の聴衆10/4(Mon),Big Wingの3rd Performanceは2回目のOcean Front Stage。
12時からのAustraliaのAll Star Sextetによる"Tribute to Louis Armstrong" の演奏以降はInternational Concertと題され,海外からの6グループが演奏した。勿論ProfessionalでないのはBig Wingだけで,その一番てとして50分間の演奏を行なった。
FestivalのHigh-LightのStageということで,初日に比べて観客も多く,メンバーも前夜のノリが残った状態の演奏が出来たためか,観客の反応も格段の差で気持ち良くManly最後のStageを終えることが出来た。

Manlyでの打上 その夜,Apartmentの一室に集まってのFarewell Partyは,OBで現在Proの料理人である山木氏の腕によりをかけたManlyの食材による料理とMalcolmさんからのAustralia産の純米酒,姉妹都市委員会の人気者Mellisaさんと家族が参加して演奏のVideoを見ながら盛り上がった。
これで公式?行事は全て終了し,翌5日の朝先発の5名が帰路に,残りは6日と居残り組みの4名は9日に各々帰国した。

■ここで,今年のManlyツアを決定した背景を含め総括。
1989年の第1回目訪問の翌年から欠かさずに行なってきた年中行事が,Manly市の元市長で台東区を始めとして日本各地とManly市の姉妹都市委員会の委員長であるJoan Thorburnさん率いる委員会メンバーとの浅草でのManly-Big Wing April Party。
不自由な英語力を駆使して冗談を言い合う桜の季節の国際交流は,両メンバーの唄や演奏,プレゼント交換,そして「ワルツィングマチルダ」の合唱で終わる。
今年は交流10年目ということで,年初から現地との交渉を始めると共にメンバーの意思確認,予算立案などを始めた。
渡豪を2000年にするとSydney Olympicの影響が宿泊や飛行機に現われることも考えた。
4月にはいつものPartyの会場を予約して,直接具体的な協議をすることにしてた。ところが,日本各地を回ってきたJoanさんはその2日前に小田原の病院に緊急入院,集中治療室での「Party」となってしまった。その10日後には帰国して心臓のバイパス手術という事態。手術は成功したものの,正直言ってその時点でBWのスタッフの間では「今年行くしかない」と固めて本格的な準備に入った。ここまでが経緯。

Kohama at Manly←そして10月2日,Ocean Front Stageでの演奏の初日,その後入退院を繰返していたJoanさんが会場に来たらとプログラムに用意した彼女へのプレゼントの曲は残念ながら,翌日に持ち越した。
演奏終了後,会場近くの病院にお見舞に,団体での訪問に驚いた看護婦長さんはこんなに沢山来るなら入場料をとれば良かったと冗談を飛ばす明るさ。
Joanさんとはたっぷり話しを出来たが,外出は困難ということで3日と4日のステージでは用意した曲をメッセージは披露せずに演奏することにした。
曲名は「Over The Rainbow」。『Joanさんが日豪間に築いた虹の様な友好のかけ橋,その努力を称えて心を込めて演奏します』 というのが私が用意したメッセージだった。

Manly出発の朝の虹 今回は3回目にして初めて春雨まじりのManlyとなったが,6日早朝,帰路の空港に向かう私達にManlyは最高に素晴しいプレゼントを用意してくれた。
乗り込んだバスから見えたのは全天にかかる巨大な虹。Joanさんには私が演奏した「Over The Rainbow」が聞こえていたんだなと感謝しつつManlyに別れを告げた。

Bassの長島氏はここで一句。
「春の虹 マンリーと共 残し置く」

今回の演奏旅行に絶大なる協力を頂いたFestivalのDirectorのJohn SpeightさんとAssistantのKenさん,現地で全ての手配をしてくれたChikoさんとMizuさん,姉妹都市委員会をまとめてくれたJoanさんの息子のMalcolmさん,メンバー全員に感謝状を用意してくれた市長のJean Hayさん,現地の方々へのプレゼントのKenwood Goodsを提供してくれたKenwood本社とKenwoodの豪州販社の山下社長,休暇を認めてくれた勤務先の皆様,そしてメンバーの活動を支えてくれた家族に改めて感謝をしたい。

●経費について・・・

全国のアマチュアバンドの皆さんは興味があると思うので簡単に報告。
詳細を知りたい方はe-mailで・・・
1997年のFlorida/New Orleans tourと同様に基本的に旅行企画会社が一切介在せず全て自分達で交渉,手配したので,とにかく安い。
とは言ってもディスカウントのパックツアとは違ってオーダーメードの上に大量の楽器を持込むため航空会社の選定,交渉には苦労した。
今回は最終的にKenwoodの子会社である旅行代理店で航空券を調達した。
30名のグループで規定外のサイズ,重量の楽器を機内持ち込むという条件があるため,早く予約すれば取りやすいが値段は高くなる。ぎりぎりまで数社の見積り合戦を経ての決定となった。
成田--Sydney往復で空港使用料込み9.4万円

大物(規定外)楽器の機内持込みについては,例えばWood BassであればFirst Classに乗る,又はEconomy Class一人分の座席を楽器用に買う,ということをせず何とか隙間に入れようとする場合には,事前にいくら代理店と交渉しておいても当日の混雑具合によっては拒絶される。その場での交渉,お願い,で乗り切るしかない。これまでの経験では機内のどこにも空席が無ければLocker Roomやどこかの隙間に何とかして保管してもらうまで頑張れば見つかるものだ。
そのためには早く機内に乗り込むことも肝心。・・・この話しは航空会社の人には読んで欲しくないかも・・・。
Australia入国のVisa取得でも今回は苦労して費用をかけずに済ませた。
Visaには目的別に細かい分類があり,演奏者として入国する場合にはEntertainment Visaが適用される。この場合,一人12100円が必要となる。出演者だけでよいが総額は21万円に及ぶので何としても回避したかった。現地のFestivalの Directorや姉妹都市委員会にも相談し,結局委員会との交流ということを強く押し出してぎりぎりのところで大使館と移民局の了解が得られた。
Visaは航空券の確定後に申請するため,時間的に厳しくなった。
何人かのメンバーで分担しての作業が出来たので,このような活動が出来た。

宿泊したApartmentは現地に住む方に選定,予約をお願いしたので国内では手配出来なかった環境,条件の良いところを確保できた。2人部屋,4人部屋で料金は少し違うが平均化している。
宿泊費は約2.2万円/5泊。1泊4400円以下。

Big Bandでのツアの場合,宿泊は1人部屋より数人のグループで同室の方がコストだけでなく安全性と連絡のとり易さという面でもメリットがある。

空港からのチャーターバス観光料金は半日で5.7万円,一人当り1900円
帰りも人数が減っても荷物が大きいのでチャーターバスが便利で安い。 一人当り約700円
その他,全員参加したDinner Showが4600円,他にT-shirts製作費などで1800円

これらを合計してBandとしてまとめて支払った分は一人当り12.5万円となった。
ただし,Bandのメンバーにはそれまでに貯蓄していたStockを還元したので実際の徴収額は10万円を切ることが出来た

結局,数回分の個人での食事,ショッピング,お土産,観光などでいくら使うかは自由として,メンバーは最低約12-3万円で参加出来たことになる。

従って総額としては400万円弱のBand Eventとなった。

Jazzを愛する皆さんがその夢を叶えつつバンドのチームワーク作りとレベルアップを図れる海外演奏・・・最高ですよ!!

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