ビッグウイングジャズオーケストラEvent Report 2004.08

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Live In Tokyo 2004 / Rhythm for Peace

Big Wing@品川のLive In Tokyo2004年のBig Wingは恒例の行事に異変が起きた。池袋のメトポリフェスタが春、秋とも中止となり拠点である池袋への地域貢献?はできなくなった。そして、新潟県出雲崎の夕日コンサートは2年連続で中止となった。昨年は台風直撃の予報で中止し、今年は集中豪雨による交通網寸断や周辺の被災地域への配慮。我々もわずかながら異常気象の被害を被ったことになる。そんな中で、新たな行事への参加もあり、池袋の代わりとなったのが品川の地域活性化イベントだ。会期は8月7日から8月14日の8日間。
主催者は駅に一番近いEast-One Towerの管理会社やANAストリングスホテル品川。6月に行なった恒例イベント『教会にジャズが来たIV』で共演したVocalのWilliam Silk氏がBWにこのイベントを紹介してくれた。

[Photo : Live In Tokyo 2004]

Live In Tokyo2004のポスター品川駅の港南エリアは再開発されて1年経過し、その人口増加は、品川グランドコモンズ(下の写真の左側の7つの高層ビル) に18,400人、写真右側の高層ビル群である品川インターシティ、アトレ品川、品川イーストビルに4万人で合計58,400人にのぼるということで、地域のイベントから将来は国際イベントに発展させたいというのが主催者の目標。今年はまず、「ミュージシャンの町、品川」を実践することからのスタート。粋なポスターやパンフレットも作成されていた。
ステージは3ケ所でANAストリングスホテル東京内のザ コロッサス、品川イーストワンタワー2階エントランスホール、そしてビル群の谷間にあるセントラルガーデン。
Live In Tokyo2004の会場その中でBWが使える広いスペースは、セントラルガーデンだけだが、その広い公園のどこにステージを設置するかの検討から始まった。
写真のようにビルの谷間の細長〜い公園で、その殆どが斜面で構成されているユニークな造りが特徴。かろうじて譜面台や楽器が倒れないFlatなエリアを見つけて特設ステージを作ってもらった。

Big WingBig Wingは8/12に出演。8月7日から始まったこのイベントの出演者は全てpm6:30には演奏を終了していたが、BWの場合はお盆休みの期間とはいえ、木曜日なので夕方にしかメンバーは揃わない。その事情は主催者に理解して頂いたが、最大の問題は主催者が照明設備を用意できないことだった。
出演が決まってから本番の日が来るまで日没時刻は日々早くなっている、とにかく各メンバーに最大限の努力をしてもらって集まり次第演奏開始して、譜面が見えなくなるまで演奏するというプログラムを組んだ。
それでも開演は6時45分頃で、左の写真のように快調なスタートを切った。3曲目からWilliam Silk氏が登場してCome Fly With Me、Luck Be A Ladyと続いたが5曲目の半ばには徐々に夕闇が辺りを包み始めた。
[Photo : 快調にスタートしたライブ]

自前の照明器具で譜面を読むここからがBWの百戦錬磨、根性の見せ所。各自が家から持ち込んだ照明器具を舞台看板や譜面台、アンプの上、マイクスタンドなどにクリップで取り付けておき、スイッチON。譜面を照らすために写真やビデオ撮影にはNGな逆光のステージへと変貌させた。
これまでにPA設備を持参したことは珍しくないが、照明器具持参は31年の歴史で始めての出来事。結局、用意した9曲とアンコールで10曲を問題なく演奏し終えた。普段でも老眼鏡がないと譜面を読み間違える人数が増えている中で、自前のライトがなかったらさぞ悲惨な演奏になったことだろう。「自衛照明隊」とでも命名するか。
この日のコンサートではじめてBWを知り、Fanになってくれた方々もいた。この日、やって良かったと思った瞬間はLuck Be A Ladyのintroの演奏でパーカッシブなスタッカットのタッチがぴたりと合って高層ビルの谷間にこだましたことだった。

[Photo : 自前の照明設備ON]

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