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2007年12月14日発行 JAZZ LIFE 最終ページより


発行年月日  2007年12月14日
媒体(紙誌)  JAZZ LIFE
紙面       194ページ

We Play Jazz!
日本からもアマチュアビッグバンドが参加
第30回マンリー・ジャズ・フェスティヴァル

都内で活動を続け、今年で結成35年になるアマチュア・ビッグバンド”ビッグウイング・ジャズ・オーケストラが9月29日、30日の2日間オーストラリアのマンリーで開催されたマンリー・ジャズ・フェスティヴァルに出演した。ジャズライフ誌07年12月号

 ビッグウイング・ジャズ・オーケストラ(以下BWJO)は、1973年に、当時ヤマハが運営していたジャズのアマチュア・プレーヤーに向けたサークル活動(スクールの生徒も含む)を発展させて、ビッグバンド編成にしたものが前身となり結成されたアマチュア・ビッグバンド。現在もフル・メンバーで毎週木曜日の20時から22時に練習している他、年2回の合宿を行うなど、精力的な活動を続けている。
 社会人バンドはどうしても仕事が優先されてしまうが、少しでもバンドへの参加意欲を高めようと、1989年に台東区主催の”浅草ジャズコンテスト”で優勝したのをきっかけに、副賞として出演依頼されたマンリー・ジャズ・フェスティヴァルに参加。初の海外ライブを経験して以来、今回で5度目の出演となった。
 海外の公演でまず問題となるのは仕事との兼ね合いだが、それでもほぼすべてのメンバーが休暇を取り、時間や金銭面の調整をして参加したという。どうしても参加できないメンバーに関しても、トラを頼むなどして総勢21人の出演者、司会者を揃え、4泊6日の日程で日本を離れた。
 シドニーの北に位置するリゾート地、マンリーで開催されるマンリー・ジャズ・フェスティヴァルは、今年で開催から30年を数える、オーストラリアで最も歴史あるジャズ・イヴェントとして広く知られている。今大会ではデイル・バーロウ(シダー・・ウォルトン・グループなどで活躍)や、ミシェル・ニコル(vo/オーストラリアン・ジャズ・ヴォーカリスト・オブ・ザ・イヤーの受賞者)をはじめ、数多くのプロ・ミュージシャンが参加し、ビーチに併設されたオーシャン・ビーチフロント・ステージなど6つのステージに分かれて演奏を披露。その他イヴェントのオープニングではニューオリンズ風のパレードが街を練り歩き、市内のクラブやバーなどでも演奏が楽しめるなど、地元とも密接な関わりをもったイヴェントとなった。
 そんな中で日本の”オジサン”を中心に結成されたBWJOは目立ったのか、演奏前からカメラを向けられることも多く、2日間のステージともに大勢の観客を動員。ステージでは「アマポーラ」、「オーヴァー・ザ・レインボー」などのスタンダード・ナンバー15曲を、演奏し、レヴェルの高い演奏で注目を集めた。中でも、日本的なメロディーをモチーフに作曲された内堀勝(arr.comp)によるオリジナルの「雅〜miyabi〜」では、女性メンバーが浴衣に着替えて演奏するなど、日本からの参加もアピール。メイン会場を含む2か所のステージでの演奏は、どちらも大成功を収めた。
 ステージを終えて無事に帰国したBWJOだが、現在は12月に行われるリサイタルに向けて練習を再開しているという。今回の渡豪で、実力も結束力も一段階レヴェル・アップしたBWJO。国内だけではなく、海外でも認められたアマチュア・ビッグバンドのサウンドを、この機会に聴いてみてはいかがだろう?。 ■

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